随 想    
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帰国した翌日、成田から発送したシルバーサーモンが自宅に届いた。
開梱してみると サーモンはまだ冷凍状態。近所のスーパーから、サ
ーモンが1〜2本入る程度のサイズの発泡ケースをいただいてきて、
そこにツめ直した。発泡ケースは長ネギのケースがジャストサイズ。
両親、親戚、兄弟、世話になった面々へ発送した。
そして、ジョニーがたくさんツめてくれたスジコは全部ほぐして醤
油漬けにするまで丸1日かかった。 これも近所へ配った。皆には
それなりに楽しんでいただいたようである。 

自宅では、1日目はドリーバーデンのムニエルと、イクラ丼。ドリ
ーはちょっと塩味がキツすぎた。翌日は サーモン親子丼。 その翌
日もイクラ。飽きたが、それなりにシアワセな食卓。苦労して持ち
帰った甲斐があった。
また、パッキングしてくれたジョニーとデイブに感謝である。

帰国3日目から写真のプリントや、サイト掲載の準備に入った。
現地で下書きしたキーワードを元に、写真から記憶を呼び起こし、
文章の整理。そしてページの作成である。 日々少しづつ作成し、
約4週間で掲載完了となった。

最後に今回のアラスカ釣行を振り返り、シめとしたい。 


Fishing
最大の目的である、サーモン、トラウト フィッシング。
言うまでもなく、だいぶ充実していた。

風。
日差し。
イップク。
休憩。
深い空。
針葉樹。
そしてサカナ。

常に釣れるカラフトマスでファイトを楽しみ、そして、時
が熟したように訪れるシルバーサーモンのヒット。

釣りをする者にとって、これほど至福の時はない。 
 ジョニーが連れて行ってくれたところは、キナイリバーを
中心に5つの釣り場(河、湖)。それらを正味6、7日で
渡り歩いた。

訪れる前は「もしかして、飽きてしまうかも・・」とゼイタ
クなことを考えていたが、そんなコトはゼンゼンない!!

同じポイントでも日によって水温やサカナの遡上の状況が
違う。そして次から次に行く河は、規模、様相、水の色、
ロケーション・・それぞれ状況も違えば、サカナも違う。
「飽きる」などもってのほか。
ここでの釣りは 広く、深く、そのホンの入り口を見た。
(どこでもそうなのだが・・)

そして「ヤられた・・」という感じがする。
   「この釣りを知ってしまった」。
そして、「ヤられた・・」ことのもう1つに、日本から持っ
て行ったルアーがまったくといっていいほど活躍しなかっ
たことがある。

荷物の大半を締めたルアーだったのに・・・。

リトリーブも日本の渓流では基本の、リアクションバイト
で食わすルアーフィッシングではない。ルアーサイズも想
定外。大きいのだ!
基本となるのは「イクラ」カラー。そして「底」。

サーモンの遡上時の食餌は、他の鮭鱒のイクラが流れてき
て、それを捕食している。当然フライもエッグフライに近
いものになるし、ルアーもエッグ色のもの。
途中合流の時光さんのイクラカラーのシュガーミノーは、
歴然だった。 (ウデの違いもあるでしょうが・・・(^^ゞ )

 そりゃそーだ。人が食ってウマいんだから、鮭も食い
 たくなるわな。

日本から持って行ったのはナチュラル系ミノーがほとんど。
特に実弟Fからは、SKAGIT DESIGNの MinagawaSpecial
ミノーを借りたが、活躍する場がなかった。
日本では無敵のチップミノーも、「所違えば」なのか・・

ただ「スチールヘッド」さえ時期が合っていれば、そして、
最終日に「ドリーバーデン」中心でいけば、あるいは活躍
した可能性はあったと思うのだが、んなコトを言っても
しょうがない。



実際に使用したタックル、ヒットルアーは以下のとおり。 
■ルアー
 SKAGIT NorthernJerkBait   カラフトマス
 CROCODAILスプーン 蛍光赤 23g シルバーサーモン
 Johnnies Original    23g  シルバーサーモン

 以下はバラシ
 ( SKAGIT DESIGNS JBSスプーン レインボー
  Coatac 山女魚8g スプーン  レインボー
  SKAGIT DESIGNS ビートルナッツには
       ドリーバーデンのチェイスが数回)
■ロッド
 TENRYU SWAT SW83L
 Smith  AGICAL Trout MT60L

■リール
 Shimano TwinPower4000
 DAIWA Altegra  Kix 2000

■ライン
 対サーモン  17LB
 対レインボー  3LB  
旅行社からのアドバイスは「ミノーは日本から持っていくほ
うがベター」とのことだった。これは、ミノーを使う局面で
は、ということであって、「日本のミノーがバシバシ釣れる」
ということではないと認識。

教訓として、ルアーとラインは日本から持っていくのは超最
低限とし、現地で調達することをお勧めする。

ガイドにはあらかじめ、タックルショップに寄ってもらうよ
うにして、オススメのものをちゃんと購入することが肝要だ。  

随想
シめ である。

普段「Fishing」は自分にとって「自由」な時間であり、自分の
意思で、自分の希望で、思いのまま釣っていた。 
アラスカに行けば、もっと開放感に浸れるものだと思っていた。
そして、自然を満喫し、普段の何倍もの自由が増幅するものだと
思っていた。

しかし、実際は、常に「制約」とがつきまとい、想像以上に不自
由であった。

    
アラスカ、キナイ半島西部。 これといった観光スポットもなく、徒歩でチョコっと出かけるには あまりに何もない。 --- 殺風景--- 深い森と空と湿原。どこもそんな風景ばかりなので、「単調」とい う意味で殺風景なのだ。 そんな中、釣り場までは、ガイドのジョニーが運転する車なしには 行けない。(あたりまえだが。)  では車があればいいかというと運転免許はないし、右側通行やハイ ウエイの走り方、マイル表示・・・とうてい反射的に理解できるも のではない。 では、近所を散歩、と歩いてみると、森に囲まれた単調な道が延々 続くだけ。湖のトレイルは、少し歩けば犬に追われるわ、風の方向 によっては熊やムースと遭遇するキケンはあるわ、徒歩での散歩も 早々に遠慮。 生活の面では、買い物のときなど英語は何度も聞き返すことが多く 英語力不足を認識して撃沈。 挨拶やチップの習慣はどういうタイ ミングで、なにをしたらいいかわからない。 ネットは使えない。 洗濯機はない。そしてグレーリングはいない。剥製は×。しかも、 ジョニーはマイペースだし「せっかち」のくせにルーズだし。 「制約」と「不自由」がたくさん。 1日目で「なんか、思っていたのとちがうなぁ・・」 と感じた。 しかし、早めに気持ちを切り替えられたのがよかった。 「気づいた」というより、ジョニーに気づかされた。 「必要なことがあれば 言って。 今言わないで、あとで文句言うの  は ダメね。」 よーく考えると「制約」と「不自由」を感じていたのは、人とのコ ミュニケーションにおいて、ほとんどを占めていた。 初めて訪れる地 では、制約や習慣を受け入れずして、自由に行動 できるわけではなく、さもなければ「キケン」を承知で過ごすか、 不自由なまま暮らすしかない。 今回は、Fishingが主な目的である。常識、習慣を身につける時間 を省略し、キケンを回避し、フィッシングをするに至るまでの全 てをジョニーに託している。 その中で、必要と思ったことは言わないコトには伝わらない。 ハラがへったら「ハラへった」って言っていいし、のど渇いたら 「飲み物飲みたい」って言っていいのだ。 それは、ボクが普段思っている「言っていいこと」が、 「日本 < 米」 なだけだったのだ。 英語にしても、通じなければ何度でも聞きなおし、しゃべり直せば いいだけのこと。 ボクの場合「気の弱い純日本人」なので「必要」であっても、言う 前に「気」を使う。 この範囲をちょっと アメリカモードにすればよかったのだ。 2日目以降は、この切り替えができただけで、とても快適!!。 おかげで、すいぶん楽しく過ごせたし、ジョニーのツッこみどころ もだいぶ見つかった。(^^ゞ 開放感や自由を味わうより、まず、自身がここで過ごすために大事 なことを体感。同時に、この齢になって今更気づかされたことが山 ほど。 そしてオヤジは思う。楽しい旅であったと。


今回は、周りの方々の協力もあり、とても貴重な体験をすることができた。


  現地でつきっきりで世話を焼いてくれたガイドのジョニー。
  ビジネスではあるが、度重なるプラン変更、きめ細かい案内をいただいたBigTrout臼井さん。

そして

  不在の間、シゴトをバックアップしてくれた Sさん、Aさん、Dさん、関係者の皆々さま。
  バズーカを貸してくれたJane'Bマスタ。 ハナシににつきあってくれた常連皆々さま。
 出発直前までmail交換したM、Eっちゃん、F。
 渡航について相談に乗ってくれたMさん。
 ウエーダーと ルアーを提供してくれた F。

皆々様 感謝。


そして、オヤジのワガママに全面的に協力してくれた 家族。
ありがとう。 なのである。

・・また行きたい・・のである。

いい?

                                     〜〜〜 END 〜〜〜
  


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